大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和34(オ)1098 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人池辺甚一郎の上告理由第一点について。

原判決挙示の証拠によれば、本件債務名義たる公正証書は、保証人たる被上告人

に関する限りその意思に基ずかずして作成されたものである旨の原判決の認定は首

肯するに難くない。所論は、結局、原判決の認定に副わない事実に基ずいて原判決

の適法になした事実の確定を非難するもので、上告適法の理由となすに足りない。

同第二点について。

被上告人は訴外DがE相互銀行から金五万円を金借するにつき保証人となること

を承諾したにすぎないにもかかわらず上告会社代表者Fは右の事実を右Dから聞知

して印鑑証明書等を本件公正証書の作成に流用させたものである旨の事実は、原判

決において適法に確定した事実である。されば、上告人は本件公正証書の作成につ

きDに被上告人の代理権ありと信ずべき事由は存在しない旨判示した原判決におけ

る判断は正当であり、これに反する所論は理由がない。

同第三、四点について。

原審が所論上告会社代表取締役Fに対する尋問申請を制限したとの事跡は記録上

窺いえないし、かえつて同代表者は一、二審においてすでに尋問済であることが記

録上明らかであり、また、証拠調は当事者が期日に出頭しない場合でも、これをな

しうることは民訴二六三条の明定するところであるばかりでなく、代理人の病気を

理由に期日変更申請書が原審に提出されたことは記録上認めうるが、診断書などの

疎明資料を提出した形跡は認めえないから、所論原審の措置に対する非難はすべて

理由がない。

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よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 高 橋 潔

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 石 坂 修 一

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